M.J.アドラー、C.V.ドーレン 『本を読む本』 外山滋比古、槇 未知子 訳, 講談社学術文庫, 1997年
A6 判(文庫本) 265 頁
この本は、タイトルの通り、ずばり「本を読むためのノウハウ」が詰まっています。よく読書をする方も、そうでない方も読んでおいて損はない本です。
内容は、「読書の意味」からはじまり、「段階的な読書方法」などを、事細かに解説してあります。
「読書の意味」では、読書時の心構えなど。「段階的な読書方法」では、初級読書、点検読書、分析読書、シントピカル読書などがあり、それぞれの段階での、目的と読書方法を解説しています。対象とするジャンルは様々で、学術書や、小説、戯曲、詩、辞書に至るまで、幅広く解説されています。
本というのは、内容も、意味も、書き方も様々で、読む人の能力や状態によってその難易度が変わってきます。それぞれの状況における読書の方法があります。さらに、本の内容自体の、良し悪しがあることも指摘しています。そして、本の内容によっては、読書の第一段階ですら行う必要がない、つまり読むに値しないこともあります。
学生時代を思い出してみると、「読書の方法」を教えられた記憶がありません。小説も、戯曲も、詩も、辞書も、教科書に至るまでもです。もちろん文字の読み方と意味は教わりました。でも、文字を読むことと、読書をすることは、果たして同じことなのでしょうか?はじめてそこで気が付きました、それらは別の階層の話で、決して同じことではなかったのです。
皆さんは、辞書の使い方をご存知でしょうか。「そんなの使えるに決まっている」と思うことでしょうし、散々使ってきたことでしょう。でもよく考えてみて下さい。皆さんは、辞書の使い方を誰かに教えてもらいましたか。辞書の読書方法はどのようなものでしょうか。
この本を読んで読書についてより深く考えてみてはどうでしょうか。
では、本の内容に対する私なりのキーワードを書いておきます。
- 読書
- 積極的読書
- 読書のレベル
- 初級読書
- 点検読書
- 分析読書
- シントピカル読書
- 教わる
- 発見する
- 著者と折り合いをつける
- 本を正しく批評する
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